食のことわざ |
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灰汁が強い |
植物に含まれている渋味が"あく"その渋味が強いこと。転じて、ものの考え方や性格にしつこさやあくどさのある人をいう。 |
朝茶は七里帰っても飲め |
朝茶を忘れて旅立ったら、たとえ七里の道を 戻ってでも飲んだほうがよい。朝茶を飲めば、その日の災難よけになるからだ。 |
味見ずのきらい |
味見もしないできらうこと。つまり食わずぎらい。転じて、真実を知ろうとしないで、頭からきらうこと。 |
味をやる |
この場合の「味」は、うまみとかおもしろさという意味。う まいことをする、気の利いたことをする、なまいきなことをする、てぎわのよいことをするなどの意。 |
小豆と女のしょっぱいのには手がつかぬ |
アズキは甘く煮たものでなければうまくないし、おんなは勘定高いと嫌われる。 |
羹(あつもの)にこりて膾(なます)を吹く |
熱いもので口の中をやけどした人はそれに懲りて冷たい膾でも吹いてから食べる |
油に水 |
油と水は一緒にしてかきまぜても混ざらない。転じてどうしても性質が合わなくて融和しない人の間柄を形容する言葉。 |
油を売る |
ずるい油売りの行商が油を太陽にあてて容積を膨張させてから売る。冷たい油で計って売るよりも利益が多い。日向ぼっこなどしてすぐ商売をせずに暇つぶしをすることをいう。 |
甘いものに蟻がつく |
アリが甘いものに群をなして寄り集まって来るように、人は利権やうまい話を聞くと集まって来る。 |
網にかかった魚 |
一旦網にかかった魚が逃げられないようにある境遇、運命に捕らわれた人が逃げられないこと。 |
網にかかるのは雑魚ばかり |
大ものの魚は逃げるのが上手でつかまらない。人間社会でも同様で本当の悪党は巧みに逃げてしまう。 |
淡きを食らい薄きを着る |
薄味のものを食べ、厚着をしない。質素な生活のたとえで健康法の原点である。 |
粟とも稗とも知らず |
アワとヒエの違いも分からないような、何の苦労もない高貴な生活をいうたとえ。 |
いが栗も内から割れる |
とげの多い栗のいがを痛い思いをして割らなくても時がいたれば内側から割れる。目的も時が至れば達せられる。 |
烏賊ともたことも知れぬ |
どちらともはっきりしないもののたとえ。つかみどころがないこと。 |
いかもの食い |
ひとびとがあまり食べないゲテモノを食べることをいう。
「いかもの」は「いかさまもの」の略で「まがいもの」の意。 |
生簀の鯉 |
生簀で飼われ拘束されて、自由にならない身のたとえ。転じて遅かれ早かれ死ぬ運命の決まっていることのたとえ。 |
一食万銭 |
一回の食事のために巨額金銭を費やすこと。飲み食いにおごりを極めることをいう。 |
一飯の恩 |
一度食事を与えられた恩。わずかな恩という意味。 |
煎り豆と一七娘はそばにはおけぬ |
煎り豆はそばに置くと自然に手がでてつい後をひく。食べ過ぎると消化不良をおこすからご用心。17娘も同じことである。 |
炒り豆に花 |
衰えた者が、再び息を吹き返して栄えることのたとえ。ありそうにないことがたまに実現することのたとえにも使うことがある。 |
いわしの頭も信心から |
イワシの頭のようなものでも、信じる心があれば、神仏同様の霊験を持つようになる。かたくなに信じ込んでいる人をからかって言う場合もある。 |
いわしのたとえにくじら |
小さなことを説明するのに、大きな例をあげても釣り合わない。たとえが不適当であること。 |
魚心あれば水心 |
先方が好意を寄せてくれればこれらも自然に同じ感情を抱くようになる。相手の出方次第でこちらにも対応の仕方があるという意味。 |
魚千里 |
魚でも千里の距離を泳ぐには、長い時間がかかる。学問も同じで、一つのことをきわめようとすれば決して短時間でなしとげられるものではない。 |
うどの大木 |
ウドは大きいのは高さ2メートル以上になるが食用にならない。人間もただ大きいだけで能力がなければ役に立たない。 |
うなぎ登り |
うなぎは、水流をさかのぼる時、元気よくさかのぼる。湿り気があれば陸地でも進める。同様に人の出世、物価、気温がぐんぐん上がることをいう。 |
瓜の皮は金持ちに、
柿の皮はコジキにむかせるのがいい |
瓜は厚く皮をむき、柿は薄くむくものという意味 |
豌豆は、日陰でもはじける |
ものごとを成就するには時が必要であり、時節を待てば、自然に目的が達せられるという意味 |
鬼の臍を蓼酢で食う |
まがい物を進められて、それを本物だと思い、誇らしげに食べること。 |
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かまとと |
だれでも知っていることがらに、知らないふりをする。かまは蒲鉾、ととは魚の女房言葉。「かまぼこも魚か」とたずねたことからきている。 |
きかずの一杯 |
最初の一杯は、相手が酒を好きかきらいか確かめないでしゃくをしてもよいという意味。 |
京のお茶漬け |
京都のひとは、客が帰ろうとするころ、心とはうらはらに口先だけで食事をすすめる。お世辞だけで根はけちなことをけなして言う言葉。 |
薬鍋を首にかける |
薬を手放さずに、常に飲んでいる人をいう。 |
口果報 |
いつもうまい物に恵まれていること。食べ物が豊かで、何の心配もないこと。 |
食わず貧楽高枕 |
貧しい生活はしていても、心は安らかなこと。清貧に甘んじる心境をいう。 |
鶏群の一鶴 |
大勢の人の中で、一人傑れた人が混じっていることをいう。 |
鶏口となるも牛後となるな |
小さいもののトップに立つ方が大きなもののしりになるよりはいい |
玄関で茶づけ |
玄関で茶づけを食べて、すぐでかける程、忙しいということをいう。 |
剣を売り牛を買う |
武士が帰農することをいう。 |
乞食の断食 |
しかたなく、そうなっているのに、わざとそうした如く、表面を言い繕うこと。 |
ゴマメでも尾頭つき |
小さくても切り身ではないということから、力はなくとも、一国一城の主人であるという意味。 |
米櫃がかわく |
米を入れておく箱が米櫃。からになって米がなくなること。転じて生活に困ることをいう。 |
コンニャクのうらおもて |
どちらとも区別のはっきりしないことのたとえ |
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魚をもって蝿を追う |
魚をふりまわしてハエを追い払おうとしても無駄、魚の匂いでますます集まってくる。手段や方法をまちがえれば逆効果をまねくということ。 |
サザエの拳、白魚の手 |
男性のサザエのようにたくましい拳と、女性の白魚のように美しい指をたとえていう。 |
秋刀魚がでるとあんまが引っ込む |
晩秋は健康な季節で病人が少ないことをいう。 |
塩を踏む |
世間でつらい目にあうこと。辛酸をなめること。 |
渋柿の長持ち |
甘い柿はくずれやすく、渋柿は長もちする。無用の者の長生きするのをいう。 |
蛇のスシでも食う |
何でも好き嫌いなくたべること。 |
生姜は田植え歌を聞いて芽を出す |
ショウガは、5月に芽を出す。 |
漿を請うて酒を得たり |
予想するよりよいものを入手したことをいう。 |
食後の一睡は万病丸(まんびょうがん) |
食後のひと眠りは、健康のために大変効果がある。 |
白豆腐の拍子木 |
役に立たないことをいう。 |
頭寒足熱腹八分 |
古くから伝わる無病長寿の健康法。頭部は冷やし足をあたため腹八分を守れば病にかかることはないと言っている。 |
摺りこ木で重箱を洗う |
することが大まかで、気配りがすみずみまで行き届かないことのたとえ。 |
摺りこ木棒で腹をきる |
摺りこ木棒で腹は切れない。不可能なことのたとえ。 |
雪隠で米を噛む |
「雪隠」は「トイレ」のこと。だれにも邪魔されずに一人っきりでゆっくり味わうこと。うまいものを独占するたとえる。 |
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大根役者 |
大根は消化がよいから、めったにあたらない。転じて当たり芸のないヘボ役者のことをそういう。役者に限らず、無能な人間を「大根」という。 |
たこのあら汁 |
あるはずのないことをたとえていう。「あら」は魚の骨やひれなど。 |
鱈腹食う |
タラは大変な大食漢で自分の子供まで食べると言われるほど。
腹一杯貪欲に飲み食いすることをいう。 |
茶の子 |
朝はじめての小食をいう。ごく軽く食べるので、転じて、容易なこと、簡単なことをお茶の子という。 |
提灯で餅をつく |
いつまでたっても埒のあかないこと。 |
鶴の一声 |
鶴の声は、力強く響き、他の鳥を威圧する。話が決定しないときなど、権力者の一言で決定することをいう。 |
泥酔 |
泥虫といって水を離れると元気がなくなり、土塊のようになってしまう虫がいる。酒に酔い、正体のなくなった姿が泥虫に似ている。
また泥虫の歩き方が酔っ払いに似ているところからついた。 |
出鱈目 |
タラは大変に貪欲な魚で、手当たりしだいに何でも口に入れるところから、節操のない食欲を当て字にしたもの。転じて、いいかげんなこと。 |
豆腐は煮ればしまる |
人は、困難なことに直面して苦労すると人間が練れると言うこと。 |
徳利にミソを詰める |
到底、出来難いことの形容に使う。 |
とろろで麦飯食べるよう |
麦飯にトロロをかけて食べると滑りよく、たくさん食べられる。何事も滑らかなこと。 |
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菜種の二葉 |
幼稚なことのたとえ。 |
納豆も豆なら、豆腐も豆 |
姿かたちは違っていても、もとは同じという意味。「納豆」も「豆腐」も、原料は同じ大豆から出発している。 |
なまぐさ鍋 |
遠い親族のこと。わずかに血縁の匂いがする程度の関係。 |
人参よく人を生かしよく人を殺す |
使い方により、薬にもなるし毒にもなる。ここでいうニンジンは薬用ニンジンである。 |
猫舌の鉄砲食い |
熱いものが嫌いな人は、よく味わいもせずに飲み込んでしまう。「猫舌」は熱いものが飲み食い出来ない人のこと。 |
猫の魚辞退 |
猫が好物の魚を辞退する訳がない。内心はほしいが、表面上いろいろの事情で一応辞退するときのたとえに使う。 |
猫の手に餅 |
猫の手に餅がくっついたように、始末に終えない様。不器用なことのたとえに使う。 |
のど元過ぎれば鯛も鰯も |
口の中には味覚を判断する神経があるが、のどを過ぎてしまえばタイもイワシも同じこと。 |
飲まぬ酒には酔いはせぬ |
原因がないから、結果もないということ。同意義のものに「飲まねば薬も効能なし」というものもある。 |
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腹が食わずに目が食う |
腹が減っているというよりは、目に入る料理がよくできていて食欲をそそる。 |
腹の皮が張れば、目の皮がたるむ |
腹の中がいっぱいになれば、まぶたがたるんで自然に眠くなる。人は満腹すると、怠惰になるものだ。 |
腑におちない |
「腑」は臓腑のことで、昔はこの腑に思慮分別が宿ると考えられていた。腑におちない。おさまらないということは理解しがたいということ。 |
風呂桶で大根を洗う |
物事がゆるゆるしていることのたとえとして使うことわざ |
蛇が蚊を呑んだよう |
何か食べたが少しも腹に感じないことをいう。またけろりとしている様をいう。 |
弁当持ち先に食わず |
弁当を持ち運ぶ人は人に先立って弁当を食べたりしない。転じて金持ちは、金を使わないという意味である。 |
盆三日は嫁と姑が仲良くなる |
暑いので、盆の料理は痛みやすいから、姑も仕方なく嫁に食べさせるので、二人仲良くなるということ。 |
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豆を煮るのにまめがらをたく |
豆を煮る燃料に豆がらを使うこと。仲間同士が傷つけ会うこと、兄弟同士が互いに害し合うことのたとえ。 |
丸い玉子も切りようで四角 |
ものはいいようであるということ。この後に「物もいいようで角が立つ」と続く。 |
みいり |
穀物の実の入りぐあい、実の成熟を意味していた。収穫も多くなれば、身代もふとる。転じて、「収入」とか「所得」の意味にも用いられるようになったもの。 |
みそが腐る |
調子外れの歌声や歌う時の悪声をあざけって言うたとえ。「糠味噌が腐る」も同じ |
みそこしで水をすくう |
ほねをおっても効果のないことをいう。「籠で水汲む」「笊で水汲む」などというのと同じこと。 |
みそ塩の世話 |
生活上の世話をすることをいう。 |
みそ汁は不老長寿のくすり |
レシチン、リノール酸、ビタミンEの三巨頭で血管や脳細胞、体細胞の老化を予防する作用がある。 |
みすっかす |
「みそ滓」のこと。転じて一人前の仲間に入れてもらえない子供などを呼ぶ。 |
みそ中の木っ端 |
気の合ったグループのなかに、関係のないものが混じっていること、異端分子をいう。 |
みそにいれた塩は、よそへ行かぬ |
自己が投資した金は、再び手許に戻るものだということである。 |
みそに骨 |
ふだんだらしない者が時に堅いことをいうこと。 |
みそも七年たてば土になる |
使い惜しみもほどほどにしないと、せっかくの節約もむだとなり、逆に大損してしまう。けちん坊へのいましめ。 |
みそをつける |
しくじる。失敗して面目をそこなう。 |
耳ふさぎ餅 |
同年の者が死んだと聞くと餅を食べる。それが耳ふさぎ餅である。 |
麦めし炊くようなひと |
のろまで、ぼやぼやしている者をいう。 |
麦わらイサキ |
イサキは、麦わらのできる初夏のころに味がよくなるということ。 |
麦わら鯛は馬も食わぬ |
麦のできる頃の鯛は、産卵を終えたときで、その味は著しく悪い。 |
虫酸が走る |
酸っぱいものがノド元を走り過ぎること。嫌いな人を見たり、その人の声を聞いたりすると、ムカムカするようなことをいう。 |
牝牛の角を定規にする |
まがっている牝牛の角を定規にできるはずがない。あり得ないことのたとえ。 |
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焼き餅やくとて手を焼くな |
嫉妬のために実を誤らぬようにほどほどにせよということ。 |
病治りて医師を忘れる |
病気が直ると、世話になった医師のことなど忘れてしまう。苦しいこともそのときだけで、過ぎてしまうとけろりと忘れてしまうものだ。 |
夢に牡丹餅 |
思わぬ喜び事が急にやってくること。 |
湯を沸かして火を引く |
なすべきことはした。自己の責任はやり遂げたこと。 |
よくなる時は土もみそ 悪くなるときはみそも土 |
強運でとんとん拍子によいことが続く状態と反対に落ち目になった時の状態をいう。 |
牢番の盗み酒 |
昔、ろう番をするようなものは程度が低いのでそういうこともしかねないということ。 |
悪いものの煮え肥え |
「まずいものの煮え肥り」と同じで、いたずらに水分を含んだりして大きく見えるが、味はよくない意味である。 |
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